2020/5/28
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【引きこもり事件簿】川崎市登戸通り魔事件とは何だったのか |
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今からちょうど1年前の今日、2019年5月28日に事件は起こりました。引きこもりだった容疑者が、スクールバスを待つ児童、保護者を次々と襲うという、川崎市登戸通り魔事件。 一体事件はなぜ起こったのか。犯人の動機や生い立ちなどをなぞりながら、背景を探ってみました。 <dl><dd></dd></dl>【引きこもり事件簿】川崎市登戸通り魔事件とは何だったのか川崎市登戸通り魔事件は、2019年5月28日、神奈川県川崎のJR登戸駅付近で、引きこもりであった加害者、岩崎隆一容疑者(51)が、バス待ちをする小学生を次々と刃物で襲撃し、その後加害者は自殺。2名が死亡、十数名が重軽傷を負うという痛ましい事件です。 岩崎隆一容疑者は引きこもりだった非常に凄惨な事件であり、被害者の方やそのご家族にとって、深い心の傷が残る事件であるにも関わらず、加害者が自殺し動機も不明。 遺族や被害者の方にとって、非常にやりきれない事件です。 そういった背景もあり、マスコミや世間から加害者への調査や関係者への取材が行われました。その結果、岩崎容疑者はネット環境もなく、10年以上医療機関の受診履歴もなく、交友関係もない。社会から完全に隔離された長期引きこもりであったことがわかっています。 岩崎容疑者の経歴、生い立ちさらに詳しく岩崎容疑者の経歴をみていきましょう。岩崎容疑者は、6歳の時に両親が離婚し、その後、叔父、叔母、従妹と生活をするという複雑な家庭環境の中にいました。 また、中学卒業後は高校にいかず、職業訓練校に通い、その後は町田の雀荘でアルバイトをしていたとの情報が確認できています。 雀荘がつぶれた後の経歴は不明で、その後は引きこもり生活に入り、ネット環境もなく、社会とは完全に隔離された生活をしていたと思われます。 ニュースでも、出てくる写真は中学生時代のもので、交流関係も極めて狭かったことが伺えます。 また岩崎容疑者についての証言として、以下のようなものがありました。
上記の証言からは、岩崎容疑者は叔父家族から差別的な扱いを受けていた可能性、また粗暴で協調性がなく、人間関係でトラブルを抱えやすい性格であることが伺えます。 一方で雀荘時代のオーナーは、責任感が人一倍強かったと語っています。
上記の証言だけでは何ともいえませんが、自分の役割がある環境なら、自分の職務を全うできる性格もあったのかもしれません。 川崎市通り魔事件はなぜ起こったのか容疑者が自殺してしまい、一切の動機が不明となっているこの事件ですが、容疑者の人生をたどることで、その背景や動機を推測してみます。 計画的な犯行本事件は、衝動的なものではなく、極めて計画的に、それも殺意をもって犯行が行われたと推測できます。 以下3点が根拠です。
容疑者は、事件4日前に現場の下見を行っています。また2か月前には包丁を購入し、当日は包丁が滑らないように手袋をつけていたことがわかっています。 岩崎容疑者の行動から、何か月も前から周到に準備し、明確な殺意をもって犯行におよんだことがうかがえます。 事件の引き金は?岩崎容疑者は、十数年も周囲との関わりをたっていました。それがなぜ突然凶行に及んだのか。 きっかけになった出来事は、叔父夫婦との手紙のやりとりではないかと言われています。 高齢の叔父夫婦が自宅で介護サービスを受けるにあたり、岩崎容疑者の反応が心配だと市に相談したところ、市の勧めで手紙のやりとりを行いました。
この手紙によって、これまで閉じ込められていた岩崎容疑者の怒りが爆発。凶行へのきっかけになったのではないかと言われています。 事件の動機、背景は?明確な殺意、そして小学生を襲うという不条理で身勝手極まりない犯行。一体動機は何なのか。容疑者は自殺しており、すでに真偽は不明ですが、容疑者の動機を考察してみました 事件の被害者となったカリタス学園ですが、容疑者の従弟もまたカリタスに通っていました。 親に捨てられ、そして預けられた先では差別にあい、学校では虎児としていじめられる———。 なんの罪もない人々へと怒りの矛先をむけた容疑者の犯行は、何をもっても許されるものではありません。 ただ事実として、一人の人間が屈折してしまうだけの環境がそこにはあったと思います。 カリタス学園に通う生徒たちを抽象的な幸せの象徴として、自らの鬱屈した感情をぶつけ、それを壊したいと凶行に走ったのかもしれません。 終わりに2019年は特に引きこもりが社会的に大きな注目を浴びた年です。果たして、これから社会はどうなっていくのか。そしてこれまでの社会のひずみを考えさせられる時期だと思っています。 本日もお読みいただき、ありがとうございました。 |
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